『アイデアのつくり方』 ジェームス W.ヤング

 有名な本だが、薄い。*1と以下、読書メモ。

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

  • イデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
  • 既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存する。
  • 事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切。
  • 第一段階は資料(特殊資料と一般資料)を収集することである。特殊資料とは、製品とそれを売りたいと予定する人々についての資料であり、一般資料とは一般的な知識のことである。
  • 創造的な広告マンにとって、容易に興味を感じることの出来ないテーマはこの太陽の下には存在せず、また彼らはあらゆる方面の知識をむさぼり食う。
  • 広告のアイデアは、製品と消費者に関する特殊知識と、人生とこの世の種々様々な出来事についての一般知識との新しい組み合わせから生まれる。*2
  • 何か特殊な資料を集める場合、カード索引法*3が便利。ある種の一般資料を蓄えるのには、スクラップブックやファイルなどの方法が有益。*4
  • 第二段階は収集した資料を咀嚼すること。この段階では、仮の、あるいは部分的なアイデアが訪れるので、それをどんなにとっぴなものだったとしても紙に記入する。*5
  • 第三段階では、この問題を出来る限り意識の外に放り出す。無意識に問題を移し、インスピレーションを待つ段階である。
  • 第四段階は、いきなりアイデアが生まれる。これは、その到来を最も期待していないときに起こる。
  • 最後の段階は、この生まれたアイデアを、それが実際に力を発揮しなければならない場である現実の過酷な条件などに適合させるために、忍耐強く種々たくさんの手を加える。これをしないと、良いアイテムが日の目をみることなく死んでしまう。

 以上がアイデアの作られる全課程、ないし方法である。以下にもう一度まとめる。


  1. 資料集め―――当面の課題のための資料と一般知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
  2. 心のなかでこれらの資料に手を加えること。
  3. 孵化段階。そこでは意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
  4. イデアの実際上の誕生。
  5. 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。


 
 本文冒頭に書いてある通り、これを理解することと実際に実行することのレベルは大きく異なる。ハウツー本など言われるジャンルの書籍に関しては、なんでもそうだが、実行こそが正義である。さぁ、今すぐ。

*1:「薄い本」と表現しようとして、それが意味するものを思い出して、あわてて訂正。

*2:興味拡散系の人間がここでも強いのは、自然とストックしている知識の量が普通の人よりも多くなるからであり、「アイデアをつくるために資料を集める」という意識がないだけではなく、「もしかしたらこれは役に立つかも」という一種の下心さえも持つことなく、純粋に興味関心から、知識を蓄えているからである。

*3:これは、3インチ×5インチ(7.62 cm× 12.7 cm)の罫線の入った白いカードを用意し、集めてきた特殊な知識を項目ごとにこのカードに記入するだけのこと。

*4:イデアに関する資料で一冊の本が出来上がるかもしれない。

*5:KJ法しかり、凡人が新しい組み合わせを考えるにあたり、大きな助けになるだろう。